ジメジメと蒸し暑い梅雨時期を快適に過ごせるように、簡単な養生法をご案内します。
毎年この季節になると不調が出るという方も多くいらっしゃると思います。例えば…
・体が重だるい
・胃腸の調子が良くない(食欲不振・消化不良・下痢など)
・むくみ
・頭痛
・イライラ
・神経痛、関節痛の再発など
中医学では、梅雨時期による過剰な湿度と体の冷え、気温差が大きくなることで体の様々な不調をきたすのは、湿邪(しつじゃ)が影響をしていると考えられています。湿邪が五臓六腑の脾(胃腸系統)に悪影響を及ぼすと、痰湿と呼ばれる余分な水分が溜まります。すると血流が悪くなるので身体の様々なところで不調がおこるのです。停滞している痰湿を外へ出し、胃腸を整えて元気を取り戻しましょう!
自分の手で簡単に胃腸を整えることが出来る「腕もみ」をご紹介します。
「腕もみ」をすると胃腸の調子が良くなるのは、腕には五臓六腑に関連する経絡(気の流れる道)が通っていて、重要なツボも集まっているからです。「腕もみ」健康法はこれらをまとめて刺激します。
脾胃の経絡を刺激する方法もありますが、胃腸の動きをよくするには肺・大腸の経絡も大切です。また、この時期に塞ぎがちな心のケアにもなる心・小腸の経絡を整えることも胃腸が正常でいられるので、結果元気に過ごすことが出来ます。
「腕もみ」の代表的なツボには下記があります。
尺沢(しゃくたく)
呼吸器全般の症状に効くツボで、肺経にある尺沢ツボは、肺の気の流れを調整します。
手三里(てさんり)
腕の疲労や神経痛やしびれに効く大腸経にあるツボで、肺と大腸の経絡は表裏の関係で互いに影響し合って調子を整えています。
曲池(きょくち)
皮膚の状態を改善する大腸経のツボで、興奮状態を沈める効果があります。肺と大腸の経絡は表裏の関係で互いに影響し合って調子を整えています。
神門(しんもん)
心を整えたい時には、心経にある神門ツボを深く優しく押圧しましょう。神門ツボのみ押圧する時は肘や指を使うと良いです。また、心経と小腸経は表裏の関係なので腸の動きも活発にします。腸を刺激して便意を引き起こすことから、便秘を解消するツボとしても知られています。
内関(ないかん)
心包経にある内関ツボは精神を落ち着けて自律神経を整える作用があるので、イライラを解消したい時に効果的です。吐き気、乗り物酔い、つわり、胃の不快感、頭痛、不眠、のぼせ、動悸、不安感などがある時に押圧すると良いです。
郄門(げきもん)
副交感神経が優位になる心包経の郄門ツボは心身をリラックスさせる効果があります。他にも、動悸、重だるい時、腕や肘の痛み、胸が息苦しい時に「腕もみ」しましょう。
上記の手順の最後、深く押した腕を離すときはパッと離さずにゆっくりと離してください。ふわ〜っと血流がよくなるのを感じると良いです。
今回ご紹介した「腕もみ」は所長である孫先生の著書から一部ご案内しました。胃腸を整えることは、様々な不調に対応しますので詳しくは著書をご覧ください。
『「腕もみ」で胃腸の不調がみるみる改善する!』
プレジデント社刊/定価:1,100円(税別)
「腕もみ」は孫所長が中国と日本での長年の臨床経験から生まれた健康法です。いつでもどこでもできる方法、そして、効果が得られる方法として考えたものです。健康を維持するだけでなく、自分自身の治療としてご活用ください。
プレジデントオンラインでもご案内いただいていますので、是非ご覧ください。
https://president.jp/articles/-/21418