どんな治療方法?
推拿療法
"推拿療法"は筋を整える『理筋』と脊椎を整える『整脊』を行い、経絡を通し、体を全体から見てバランスを整えます。
筋肉や靱帯などを整える「理筋」
『理筋』とは「筋肉や靱帯などの軟部組織を整える」という意味です。整形外科系の痛みが消えない場合、その原因の一つとして中国医学には「筋のねじれや癒着によるもの」という考えがあり、その事実は医学的にも証明されています。「癒着」とは、損傷部位の組織液や血液が炎症することで線維化し、関節の機能障害や可動域制限を生じさせることをいいます。「推拿療法」は筋を伸展させたり、多様な手技を用いて筋繊維を分離し、筋の癒着を解除します。緩和することにより関節の可動域を回復させ、正常な機能に戻すことを目的としています。
脊椎(背骨)を整える整脊
『整脊』とは「脊椎(背骨)を整える」という意味を表します。病院で検査をしても、異常なしと診断される場合、背骨の微妙なズレによる異常が原因となることがあります。背骨のズレが体の不調を引き起こすのは、ズレた骨が背骨のすぐ近くを走る「自律神経」を刺激するからと考えられます。中国の東西統合医学では「脊椎相関疾病」といいます。背骨のズレを微調整することで身体の不快な症状をとることができます。「痛み」、「しびれ」のような神経系統の障害なども、「推拿療法」で整脊を行うことにより改善していきます。
柔道整復術
柔道整復術は、日本古来より伝わる外傷治療で骨折・脱臼・打撲・捻挫などに対し行われる治療術です。もともと日本古来より受け継がれてきた医術の一つで「柔術」の「活法」を基本として東洋医学と西洋医学を組み入れて発展してきたものです。
治療例
頸椎症
頸椎症は、頸椎の運動と荷重を担っている椎間板の退行変性によってもたらされる代表的な疾患で、頚部の運動痛と可動域制限のほか腕のしびれ、限局性の運動麻痺と感覚麻痺、脱力感、筋委縮などの症状が現れる。
寝違え
特にこれといった誘因がなく、ちょっとした動作をしたときに突然頚部に痛みが生じ、頸椎の可動域制限をともなう症状。運動時痛が主体で頚部の筋が固くなって固定された状態になる。
肩関節周囲炎
「五十肩」あるいは「フローズンショルダー(凍結肩)」とも呼ばれる。40歳以降、とりわけ50~60歳に多く、主な症状は肩部の疼痛と運動制限である。痛みは夜間と寒冷時に増強し、頚から手にかけてしびれることもある。肩関節の運動はあらゆる方向で制限を受けるが特に結帯(帯を結ぶ)・結髪(髪を結う)動作と肩より上方への挙上制限が顕著になる。
腱鞘炎(弾発指、ばね指)
手の過度使用による機械的刺激が原因となって炎症が起こったもので、職業柄手を酷使する傾向のある人、編み物や縫物の好きな人や産後にも好発する。
仙腸関節捻挫
安定性の高い関節だが、無理な姿勢での運動や外力が加わることによって関節の捻挫を引き起こすことがある。身体の中心にあたる関節でその影響は全身に及ぶ。
腰椎ヘルニア
椎間板は、加齢に伴い髄核内のプロテオグリカンが減少するとともに、豊富であった水分も次第に減少し、やがて後方の線維輪に大小の亀裂が生じるようになる。このような退行変性の最中に、スポーツや重量物の挙上など力学的な負荷がかかったことがきっかけで椎間板内圧が急激に上昇すると髄核が線維輪の亀裂を通って飛び出し、神経根を圧迫し腰痛と脚のしびれを引き起こす。
腰部脊柱管狭窄症
さまざまな誘因で脊柱管が狭窄化し、それに伴って脊柱管内に存在する馬尾神経根が慢性的に圧迫され神経症状が生じた状態。特徴は間欠跛行で、歩行の途中で下肢のしびれが激しくなってやがて歩行を続ける事が出来なくなるが、しばらく休むと症状が軽快し再び歩行可能になる。
変形性膝関節症
中高年、特に女性に多い膝疾患で、軟骨の摩耗や骨棘(骨のとげ)の形成・変形など加齢にともなう退行性変性、増殖性変化を示す。膝関節の外傷や化膿性疾患、半月板の断裂、大腿骨内側顆の骨壊死など原因がはっきりした二次性関節症と原因が明らかでない一次性関節症に大別される。この疾患に特徴的な症状は運動時痛で、立ち上がるときや歩きだすときなどに痛みが現れる。また、進行するにしたがいO脚を呈す場合が多い。
その他
仰頭揺正整復法(ぎょうとうよう せいせいふくほう)
中第1・2頸椎椎管関節の錯位
按背搬髖整復法(あんはいはんかん せいふくほう)
第6胸椎以下の胸椎、および肋椎関節錯位の整復
按仙骨搬骼整復法(あんせんこつはんかく せいふくほう)
仙骨の後方錯位
推骼拉腿整復法(すいかくらたい せいふくほう)
腸骨の後方への錯位
包帯法
そのほかの治療法
当院では推拿療法の他、従来の電気治療に加え、漢方薬を煎じた蒸気を患部に当てる「薫蒸療法」、ガラス玉を吸い付ける「吸玉」等よって、痛みや不調を取り除きます。
干渉波治療(電気)
神経を刺激することにより筋を収縮させ、その作用が血流をよくし疼痛緩和を促します。
マイクロ波治療
骨組織や脂肪層を透し、マイクロ波特有の深部浸透力によって人体内で熱エネルギーに変化し血行を増進します。
吸玉療法
ガラス玉を真空に近い状態にして、肌に吸着させます。深部の滞った血を表面近くに引き出し流れていくことで、血液が浄化し、血行が促進します。