私とすいなの出会いは、19才の時でした。元々、医師である父の影響で西洋医学への興味・関心が強く、医者への憧れもありました。病気になった時も、どれだけ助けられたことか分かりません。現代医学の発展は目覚ましく、その技術の進歩は、実に頼もしく素晴らしいものです。しかしながら、今の現代医学には唯一欠点があります。それは、東洋医学でいう『未病』『不定愁訴』に極めて弱い事。
つまり仮に、患者様が何か症状を訴えたとしても、血液検査などで数値に異常が出なければ、手出しする術がない、という事実でした。また、数値に問題が出たとしても、その多くは数値を抑えるのみで、なかなか根治にまで至らないケースが多いと感じます。さらに、その検査及び治療のための機械の研究・実験・開発・製造・設置・使用までに、超莫大な時間と費用を費やしていること、にもかかわらず今だに難治性の病気の治癒率はあまり変わらない事に、どこか違和感を覚えます。もちろん、その技術は、今後必須です!しかし、そこに頼りすぎるのは如何なものか?と疑問に思います。
もっと身近なところに、事前に身体の問題点を見つけ解決に導く、また予防する方法はあるのではないか?盲点になってる部分があり、今の医師たちは、それを見落としてるのではないか?そう想ったのが、小学生〜中学生にかけての頃でした。
今にして思えば、どうしてその様な考えに至ったのかよく覚えていませんが、自分の中で大きな可能性として、膨らんでいきました。そんな時に、たまたま観たテレビ番組で、中国の山村ですいな正骨をしている先生の映像を見て、直感的に『コレだ!』と思いました。世の中にまだこんな治療法があるのか?と驚きました。
それ以降、東洋医学・手技療法の世界を知るようになりました。それから、漢方・鍼灸・すいなの中国三大療法を知り、気功・太極拳・薬膳という文化があることも知りました。正直、欲張りな僕は、それらをまとめて教えてくれて国家資格も取れる学校はないかと探しました。 しかし、驚くべきことに国が定める専門学校には、そういった自分が想い描いた学校は、一切ありませんでした!国の学校にもかかわらずです!鍼灸・あん摩マッサージなら、それだけを三年間。
さらに、どこにもすいなや骨格の矯正を正しく教えてくれるところはなく、日本ではカイロプラクティックの学校しか思いつきませんでした。仮に、カイロの学校を出ても国家資格ではないため、正式に治療として行うには、柔道整復師の国家資格が必要で、この資格を取るのにも専門学校に三年間通わなくてはなりませんが、骨格の矯正を正しく教えてくれるところは、おそらく無いため、また学校に通い直さなければなりません。ここまででも、頑張って最短で5年以上かかります。学費としては、1000万円近くかかります。
しかも、国家資格を得たからと言って、ちゃんと治せるようになるには、凄い先生を見つけて弟子入りするか、高いお金を出してセミナーに行きたくさん練習する必要性が出てきます。
しかし、それぞれ多くのメリット・デメリットがあります。もちろん医学部に通い正式に医者になれば、薬の調合以外ならどんな治療も認められるかもしれませんが、日本では医学部のどこにも、それらの知識・技術を教えてくれるところはもちろん無く、また勉強している時間も無いため、結局学び直さないと行けません。しかも、国家資格を得たとしても、保険に制限があるため、自由な治療が出来る訳ではなく、結局のところ患者様は実費による自由診療を受けるしかないのが現状です。
正直、日本の法律に則った制度の元では、時間とお金が掛かり過ぎると思いました。今の日本の医療教育や体制は、あまりにも非効率的で、お金と時間ばかりを吸い取られるようなシステムに成り下がってしまっている!ただの金儲けではないか?と感じます。そのために、本物の資格と知識・技術を得られるチャンスが減らされ、資格取得に囚われるあまり、高い志しを得られる学生が少なくなってきてしまっているのではないか?と感じます。
また、患者側からしても自由に受けたい治療が受けられないのも、可哀想ではないか?と思います。医師不足が囁かれますが、そもそも日本の今の体制そのものに、問題が山積していると思われます。これは、とても残念な事です。
つまり、鍼灸・あん摩マッサージ指圧/柔道整復師の国家資格を得るためだけに、3〜6年間費やすのは馬鹿馬鹿しいと思いました。少なくとも『今じゃない!』と感じました。そんなこんなで、高校卒業2年目にしてようやく見つけたのが、黒竜江中医薬大学日本校という専門学校でした。内容は、すいなはもちろんの事、中医基礎理論・診断学・気功・太極拳・漢方・薬膳・足裏反射療法・カイロプラクティックなど、まさに自分が思い描いていた学校に極めて近いものでした。
その中でも、特に自分に合っていると感じたのが、すいなをはじめとした手技療法でした。即効性があり、速践力になれるのが一番の魅力でした。ここで知識と技術を学べたのは、私にとって大きな財産になりました。
ここで得た財産をより実践的に効果的に活用出来る様になりたいと思い、臨床現場で活躍しているすいな療法の第一人者を探し、ここ『東京中医学研究所』の“孫維良”先生に出会ったのです!先生のすいなは、私が目指すすいなの理想型に最も近いものでした!
先生の掌は、まるで“タコな吸盤”の様にピッタリと吸い付き、それでいて“ジェリーフィッシュ”の如く力みが無くじんわりと浸透し、動きはまるで“龍宮の使い”のように滑らかで連綿として途切れることがなく、身体の奥の芯のコリまで解きほぐされるような強烈な感覚は、まさに“ウツボのデスロール”で身体の奥の悪しき者を食い千切られるかのようです!まさに、自分の探し求めた技術だ!と実感しました。
何より一番驚かされたのが、塾で先生に腹部すいなをしていただいた時に『腸無いじゃない??』と言われた事です。『え?腸がない???自分はどうやって排泄してるんだ????』と、その時は思ったのですが、ふと思い出したのです。以前、父に何かのきっかけでお腹のレントゲン写真を撮って貰った事があり、その時にたまたま大腸がクッキリ映し出されたのですが、なんと三角形をしていたのです!どうやら大腸の左側が腹壁から剥がれてしまっているようで、それで三角形になってしまってるみたい。それを孫先生は、触っただけで分かってしまった様でなのです。いらいろな先生に巡り合う中で、それをズバリ当てられた事は、一度もありませんでした。
先生の眼と手は、まるで“シャコの眼”や“鯨の超音波”の様に、色々なもの見透かしているかのようです!
本当に素晴らしいです!
より中医すいなの魅力と奥深さを実感させられ、自分も孫先生みたいになりたいな〜?と思いました。
実際、先生に教えていただいた臨床すいな手技のお蔭で、父のぎっくり腰(軽度だったが…)1回で改善しました!
実家で施術させていただいているお客様に、腹部すいなをしたところ、冷え性がかなり改善し、疲れにくくなったそうです!しかも、そのお客様は最初来た時、両手バネ指で整形外科から『手術がいる!』と言われていたらしいのですが、1年たった今ではもうほとんど症状が無く、手術不要になってとても喜んでいただけた様子で、今でも私のところに通い続けてくれています。さらに最近では、五十肩にも比較的良好な効果を得られる様にもなってきました。
それも これも、孫先生のすいなの賜物です!
とても感謝しています!
この世界の一員になれたことを誇りに思います!
また、こんな素晴らしい療法の数々を学ばせてくれた、父・母に“ありがとう!”と言いたいです!